Topics
当店で取扱いがある家具メーカー「カール・ハンセン&サン」、「PPモブラー」、「フレデリシア」は木材を選択してご注文することができます。
※椅子によっては木材が決まっているものがございます

色、木目、強度、重さ等、それぞれ好みの木材があることでしょう。

ご選択いただける主要6木材の特徴をご紹介いたします。

また、個人的に、この椅子にはこの木材がオススメ!!というのを記載いたしますので、ご参考までにどうぞ。
好みの木材を選択されて、購入された椅子を長く大切にお使いいただく一助となりましたら幸いです。

ビーチ材は、北欧では最も一般的で、価格も安定している木材です。
各家具メーカーが販売している椅子において、おそらく最も安価な価格で購入できる仕様が、このビーチ材を使ったものではないでしょうか。

認証を受けた製材業者から、安定した供給が可能なことから、大きな値崩れがなく入手可能なことが、安価に提供できる要因と思われます。

勘違いしていただきたくないのが、安価な木材だからといって、決して地位が低い木材ではなく、かなり優秀な木材であることが、その特徴から判断できます。

まず、硬く強いことが挙げられます。
その強度が曲木加工にも適しているため、曲木を用いた椅子には最適な木材と言えます。
ウェグナーの椅子も、背板の箇所に関しては、削り出しではなく、曲木を用いているものが多いので、その加工性の高さからビーチ材が重宝されているのです。

ソープフィニッシュ、オイル仕上げ、ラッカー仕上げともに、塗装吸収性は良いのですが、クリア塗装ですと経年変化により少し黄色します。
また、大きな変化に乏しい単純な木目のため、木目の優雅さが優先であれば、この木材を選択する必要はないのではないでしょうか。


【ビーチ材のオススメ椅子】

・Yチェアー等のカラー塗装が豊富な椅子
・J49

木目に変化が乏しい、経年変化で黄色すること等を考えると、クリア塗装よりもブラック、ホワイト、様々な色の塗りつぶし塗装がされた椅子の選択がオススメです。
強度はありながら、重量は決して重くはないので、Yチェアー等の色の選択肢が多くフレームが細身の椅子や、J49等のスポークバックタイプの椅子に選ばれてみては如何でしょうか。
アッシュ材は、その衝撃性の強さから、バット等の運動用具に多く使われている木材です。
重量は軽いながらも、粘りがある強度は勿論家具にも向いており、当店にて取り扱っているカール・ハンセン&サンのサファリチェアーの主要木材として使用されています。
まさに屋外にて使用いただく家具には最適な木材と言えるでしょう。

また、PPモブラーの各椅子でも選択が可能なことから、丈夫で加工性に優れていると言えます。
独特の木目模様が特徴的なことから愛好家が多いです、


【アッシュ材のオススメ椅子】

・サファリチェアー
・PP512フォールディングチェア

丈夫で軽いことから、ノックダウン、折りたたみ可能な椅子、日常的に持ち運ぶことが多い椅子への選択がオススメです。
また、乾燥の安定性がよく、比較的虫害に強いことから、屋外での使用にも適しているため、サファリチェアー等の屋外使用を想定した椅子にも最適です。

メイプル材は、強度があり、木目が優美なことから、高級家具用の木材として最高の評価を得ています。
丁寧な研磨後に塗装を施すと、強い光沢が出て美しく仕上がることから、木工家の間ではとても人気が高い木材です。

木目だけではなく、密な肌目の細やかさ(人で言うと、肌のきめ細かさ)が、その人気をを決定づけているのでしょう。
実際に、強く、重く、硬く、安定性が高いためフローリング材としても理想的です。

また、稀に「バーズアイメイプル(鳥眼もく)」模様が表面に現れる木材があり、それが木目に更なる美しさをもたらし、木工轆轤を使った器等でもこの材が重宝されています。


【メイプル材のオススメ椅子】

・ヴァレットチェア
・PP701

色が白く、木目も優美なことから、対照的な木材とのコンビネーションを楽しんでいただきたいので、ヴァレットチェアやPP701等の契りが印象的な椅子にオススメです。
ウォールナットやウェンジ等の木材とのコントラストが、絶妙な美しさを演出します。

ウォールナット材は、高価な暗色系木材の代替材として使用されていたが、その加工性の高さと、塗装後の美しい仕上がりに、現在では広く高級家具用木材として用いられています。
比較的肌目は粗く、硬度も軟らかい木材なので、キズがつき易い事がネックではあるが、塗装後の光沢がある優美な木目に魅了される木工家は多く、塗装前と後のギャップが大きいことから、メンテナンスをする喜びを感じられる木材です。

アメリカ全土に多く生育している木材なので、木材自体の価格はオーク材と大差はないが、廃材率が極端に低く、オーク材と比べてウォールナット材の椅子がより高価となっています。


【ウォールナット材のオススメ椅子】

・pp501/503 ザ・チェアー
・CH07シェルチェアー

高級材であり、材面にキズがつきやすいことから、頻繁には移動をさせないような、高級椅子に用いるのがベスト。
また、暗色の優美な木目と光沢は高級椅子に最適と言えるでしょう。
高級な椅子を大切に使用していただくために、メンテナンスのことも考えオイル仕上げで注文し、オイル塗布の度に喜びを感じていただきたい。
※PP501/503のウォールナット仕様は限定生産のため、材料がある限りの生産となります

オーク材は、現在最も多くの家具に使用されている木材ではないでしょうか。
加工が容易で、温帯産広葉樹材にしては鮮やかな色をしており、多くの現代的な様式の家具に合うこと、また、資源の枯渇も心配がないことから安定した人気と価格を得ていると考えられます。

木目は大きな特徴がなく、肌目も少し粗いですが、硬度があり強度も強いことから、アウトドア家具や最近流行りの無骨さを売りにしている家具での使用が適しているため、男性からの高い支持を得ています。
一方、視覚的にも優しい雰囲気を持ち合わせているため、女性からの人気も高いです。


【オーク材のオススメ椅子】

・CH33
・CH20
・J39等のシェーカー様式の椅子

大きな木目の特徴を持たないオーク材は、見た目が素朴で優しい雰囲気を持っているため、木材を前面に強調したCH20、CH33等の椅子への選択がオススメ。
また、J39のようなシェーカー様式の椅子は、装飾を排除しシンプル・ミニマルなデザインがオーク材に最適と言えます。
チェリー材は近年ますます人気を高めつつあります。
その理由には、肌目が細かく密であり、波状だが均一な木目、中立的な色合い、強度がありながら重量は決して重くないといった性質があるためです。
現在では入手が難しくなった最上のマホガニー材に似た性質と雰囲気を持っているため、マホガニー材の代替材として長く使用されてきたのですが、今や枯渇しているマホガニー材をも凌ぐ高い人気を得ています。

また、塗装により素晴らしい光沢で仕上がり、経年変化も風合いをもった飴色に変化していくことから、購入直後から購入後数年を経た先まで長く満足ができる木材と言えます。

一般的に広く入手可能で持続可能性の問題はないですが、木材の価格は今後ますます高くなっていくことが予想されます。

【チェリー材のオススメ椅子】

・Yチェアー
・PP501/503 ザ・チェアー

経年後の変化、美しい光沢と木理を考えると、ウェグナーのデザインでも代表的な椅子への使用がオススメです。
ザ・チェアーのような超高級な椅子への選択も、長い使用を考えるとご納得いただけます。
また、Yチェアーにチェリー材のオイル塗装を選ばれるのが玄人好みです。



【木材の持続可能性(サスティナビリティー)について】

木材はおそらくあらゆる素材のなかで最も万能であると考えます。
強さ、太さ、長さもほぼ自在で、柔軟性があり、美しく、加工も比較的に簡単である。
しかし他の素材と異なる最大の点は、それが再生可能な資源であるということです。
問題は森林を過剰伐採し、結果をかえりみることなく再生の機会を潰してきたということです。

木材はワシントン条約により絶滅危惧種の国際的商取引を規制しています。
森林管理協議会(FSC)をはじめとする機関は森林を長期的視点で経営していこうとしている企業を応援しています。
当店にて販売している椅子、すなわち「カール・ハンセン&サン」、「PPモブラー」、「フレデリシア」社の椅子はFSCに認証された木材を使用しており、木材の持続可能性(サスティナビリティー)に大きな責任を持っています。

森林伐採はすでに十分すぎるほど危機的段階に達しています。
これ以上の無秩序な伐採は、今後さらに危機的な状況を招く恐れがあります。

FSC認証がされていない木材を使って製作される「リプロダクト」という名のコピー品。
価格が安価なことから購入が容易いとは思いますが、こういった家具を買う前に是非一度、木材のサスティナビリティーを意識していただきたいと思います。

※写真は森林管理協議会(FSCジャパン)から借用